花火
作詞:井上 赳 作曲:下総 皖一
花火大会で大きな打ち上げ花火を見たことはありますか?
ドン!という音を聞くとワクワクしますね。
昭和16年 文部省発行「うたのほん(下)」に掲載された文部省唱歌です。
うたのほん(下)は、国民学校(現在の小学校)2年生用の教科書にあたります。
歌詞の意味
- ドン!と鳴った 花火だ きれいだなあ
空いっぱいに 「しだれ柳」が広がった - ドン!と鳴った たくさんの赤い星
いっぺんに変わって青い星になり、もう一度変わって金色の星になった
うん、歌詞そのままですねー。
打ち上げ花火を見たその瞬間を、素直な気持ちで表現している曲です。
「しだれ柳」というのは、日本の花火の代表的なものです。
柳の木のように、高いところから長い時間かけて垂れ下がって落ちてきます。
歌唱ポイント
この曲の一番のポイントは「ドン!」ですね。 この一瞬で、どんな花火か想像できるかなと思います。
あとは、しだれ柳の落ちてくる様子、花火の色がパッパッと変化する様子。
ワクワクしながら夢中で見ているスピード感、次に打ちあがる期待などが出ると良いですね。
掛け声「たまや~~~~」とは?
打ち上げ花火で、大きな素晴らしい花火があがると「たまや~~~~~!!!!」という掛け声?歓声?を聞いたことはありますか?
たまや=玉屋
これは、江戸時代の花火師の名前です。
玉屋の他にも、「かぎや~~~~~~!!」という掛け声もあるのですが、こちらは「鍵屋」古くからの花火師の名前です。
江戸時代(徳川の時代)に、打ち上げ花火が急速に発展したそうで、花火界のトップにいたのは「鍵屋」でした。
享保18年(1733年)に両国の大川(現:隅田川)にて花火大会が開かれ、大活躍したのが本橋横山町の花火師「鍵屋六代目弥兵衛」だったそうです。
鍵屋の弟子がのれん分けして独立したのが「玉屋」。しかし、この玉屋は花火大会で大火事を出してしまい、江戸から追放されたとか。
代々続いている鍵屋ではなく、なぜ玉屋の方が掛け声で残っているのでしょうか。この玉屋は技術に優れていて、1代で耐えたとしても江戸の人々の心に残る素晴らしい花火を作ったという説や、ただ語呂合わせで叫びやすい説などがあります。
現在でも鍵屋は繁栄していて、15代目の女主人が活躍中のようです。花火大会へ行ったら、ぜひ「かぎや~~~~~~~!!!!」と叫んでみましょう。