旅愁

作詞:犬童 球渓 作曲:ジョン・P・オードウェイ

故郷を離れ生活をし、辛い経験を重ね悩んでいるところで、ふるさとの両親を思い出しています。

原曲は、1868年作曲された「Dreaming of Home and Mother」。
明治40年(1907年)に翻訳されて、教科書「中等教育唱歌集」に掲載されました。

歌詞

※著作権消滅しているので歌詞を記載します

  1. 更け行く秋の夜 旅の空の  わびしき思いに 一人悩む  
    こいしや故郷 懐かし父母  夢路にたどるは 故郷の家路  
    更け行く秋の夜 旅の空の  わびしき思いに 一人悩む
  2. 窓うつ嵐に 夢も破れ  遥けき彼方に こころ迷う  
    こいしや故郷 懐かし父母  思いに浮かぶは 杜の梢  
    窓うつ嵐に 夢も破れ  遥けき彼方に こころ迷う

歌詞の意味

難しい言葉がたくさん使われていますので、細かく解説してみます。

難しい言葉の意味

更けゆく秋の夜

更ける=度合いが深くなること。
この歌詞だと、秋が深まっている・夜遅くに どちらも意味が通じますね。 

9月の初秋ではなく、11月くらいの秋らしくなった夜遅くに ということでしょう。

わびしき思い

侘しい=心細い、希望がなく辛い、頼るものがなく辛い。

親元を離れ生活をしていて、頼るあてもなく、希望もなく、辛い状況にあるのでしょう。

恋しや故郷

恋しい=離れている人や場所などについて、どうしようもなく強く心が惹かれていること。

故郷を思い出して、どうしようもなく気持ちがたかぶっているのですね。ホームシックだな。

懐かし父母

懐かしい=昔に戻ったような気持ちになる。心が惹かれて離れ難い。

両親のことを思い出し、懐かしんでいます。

夢路にたどるは故郷の家路

夢路=夢をみる
家路=家に帰る道

実家に帰る道をあるいている姿が夢にでてきたのでしょう。

遥けき彼方

非常に遠くの方、まだまだ先の方

杜の梢

杜=木がたくさん生えているところ。
森は山の中だが、杜は神社の周辺など神秘的な木が多い場所を指すこともある。

梢=木の先の部分。枝の先。

杜の梢は、枝が見えるような距離感にある木が集まっているところ。実家の裏庭あたりでしょうか。

歌詞全体の意味

実家を離れ、社会にでて頑張ってはみたが疲弊している主人公が浮かんができます。
この曲の歌詞は、こんな意味かなと思っています。

秋の夜遅く空を見上げている。
頼る場所もない。この先どうしたら良いのだろうか。

故郷が恋しい。両親と過ごした日々が懐かしい。
思い出すのは 故郷の家だ


嵐のような辛い経験だった。自分の夢は叶わなかった。
もう諦めてしまおうかと悩んでいる。

故郷が恋しい。両親と過ごした日々が懐かしい。
思い出すのは育った村の風景だ。

人生挫折した時に思い出す歌

人生に挫折・・なんて書き方をするとすごく重々しいですが、

夢に向かって頑張ったけれど、うまくいかなくて諦めようと思った時。
もうこれ以上は無理かなと思った時。
こんなはずじゃなかった、と思う時。
近くに心から頼れる人もいない、自分は孤独だ、と心が弱くなった時。

人生は十人十色ですが、それなりに人生を生き抜いてきた大人であれば・・・少なからずこのような気持ちになったことは誰にでもあるのではないでしょうか。

特に高齢の方からは、秋の曲で1番好きな曲は「旅愁」なんです、という話を時々聞きます。

辛かったあの時の気持ちに寄り添った曲・・・なのでしょうね。

歌唱ポイント

主人公の気持ちは「遠くの故郷」にあります。

故郷を懐かしむ気持ちで、遠くへ遠くへ声を飛ばすように歌いましょう。

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旅愁” に対して2件のコメントがあります。

  1. 凡人F3 より:

    作詞の犬童球渓が26歳の時 東京音楽学校甲種師範科を苦労して卒業し意気揚々と音楽の教鞭を取ろうと兵庫の学校に着任するも、その当時(1905年)は、ロシアとの戦争が行われていて学生たちも血気盛ん 音楽などやってられるかい!と軽んじられた犬童は、ずいぶん意気消沈したそうです、1年と持たず新潟の女学校に転勤し(生まれた熊本県人吉市から随分離れ)人生の挫折と遠い故郷へ募る思いのダブルパンチ状態の中 それでも音楽が大好きだったからこそ、置かれた、その境遇を音楽で形にして乗り越えようと『旅愁』の歌詞が出来上がったような気がします、旅愁と並んだ名曲『故郷の廃家』も大童球溪作詞で旅愁と同時期に「中等教育唱歌集」に発表されてますね(人吉市役所などの犬童に関する資料等を読んでの私見です)

  2. 繰り返し曲を聴きながら、筆者が書かれているのを興味を持って読みました。
    この歌が翻訳され教科書に掲載された明治40年(1907年)の出来事を少し調べてみました。
    「旅愁」の作詞者は「故郷の廃家(こきょうのはいか)」という歌も作詞し、作詞者の故郷に対する心情が詞に表現されているのでしょうか。数年前には、日露戦争と大変な時代でした。
    しかし、文豪夏目漱石が「吾輩は猫である」「坊っちゃん」を出版、東京・青森間の鉄道開通(直通列車は1日1回運転開始)、東京・北海道間の電話開通、初の日米対抗野球試合で早稲田三連敗、慶應野球部連敗したが、最後に勝利し一矢を報い、明るい出来事もあります。今年WBCでは優勝するまでになった。
    116年前の歌が現在まで受け継がれこれからも、このサイトにUPされ作詞者はどの様に感じているだろうか。勉強になります。写真もよかったです。
    次にこのサイトにどの様な曲がUPされるか楽しみにしています。また遊びに来ます。

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