たこのうた

作詞作曲:文部省唱歌

たこたこあがれ!

1911年刊行の『尋常小学唱歌』に掲載された文部省唱歌です。
凧揚げの様子がうたわれています。

お正月遊びの凧揚げ、やったことありますか?

歌詞と意味

  1. たこたこ上がれ 風よく受けて
    雲まで上がれ 天まで上がれ 
  2. 絵凧に字凧 どちらも負けず
    雲まで上がれ 天まで上がれ
  3. あれあれ下がる 引け引け糸を
    あれあれ上がる 離すな糸を

 

たこあげを実際にやったことがある方は、この歌詞の意味がよくわかると思いますが、
凧揚げ未経験者のために、特に3番を解説してみます。

広い面に風を当てて、糸をピンとはると、凧は上にのぼっていきます。
風が弱まった時に糸を弛ませてしまうと、凧は下がってくるのです。

糸を引く=糸を張らせると、風をとらえて再度上に登っていくので「引け引け糸を!」と言っています。

どんどん凧が上に上がっていくときに糸をしっかり持っていないと、残っている糸も引っ張られて、そのまま空へ飛んでいってしまいます。
ですので、「離すな糸を!」と言っています。

この歌を理解するには、実際に遊んでみるのが1番です。

歌唱ポイント

凧あげの様子がそのまま歌詞になっています。
どんな場面かを想像しながら歌っていきましょう。

凧揚げは、体力勝負の遊びです。
大きな凧は、大人数名が力を合わせてあげますよね。

特に3番は、落ちそうな凧の糸を引いて上に戻すという、緊迫感のある場面です。
声にも力強さを加えてみましょう。

凧あげの由来

凧も色々種類がありますよね。
歌詞にある「えだこ」は絵が書いてある凧。「じだこ」は字が書いてある凧なわけです。

  

でもそもそも、この紙と糸で作られたものを「たこ」って呼ぶのはなぜでしょう。
凧揚げの由来を調べてみました。

凧=イカ だった??

凧は平安時代に中国から日本に伝わりました。

鳶(とび)に似ていたことから「紙鳶(しえん)」と呼ばれます。
紙鳶は魔物や病気などが風に乗ってくるのを防ぐ「厄払い」の道具として使われていたそうで、全国に広まっていきます。

江戸時代にはバランスをとりやすくするために、紙鳶に長い足をつけました。
その姿が「いか」に似ていたため「いかのぼり」と呼ばれるようになったそうです。

イカのぼり禁止令が!

大人も子供も「イカのぼり」に夢中になるほどの大ブームとなった江戸時代。
徳川家光も、イカのぼりを大変気に入って遊んだそうです。

がしかし。
あまりに大ブームになり過ぎて、大きな事故が多発。

幕府はこの状況をみて、イカのぼり禁止令をだしたのだとか。

イカが駄目ならタコと呼ぶ

ダメと言われたらやりたくなるもの。
イカのぼりと呼んでいると幕府にバレるので、「タコのぼり」と呼んでこっそり遊んでいたのだとか。

これは禁止されているイカ上りではない!と言い張っていたのですね。
屁理屈というかなんというか、このアイデアにより、凧揚げは途絶えることなく現代にも受け継がれています。

イカが駄目ならタコと呼ぶという・・・。
安直な考えがじわりときますね。(笑)

そのうち、たこのぼり→たこあげ と変化していきます。

「凧」を辞書で調べると

たこ、たこあげ、いかのぼり ・・・というように、
「凧」の漢字で「いかのぼり」とも読むようなことが書いてあったのには驚きでした。

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