証城寺の狸囃子
作詞:野口 雨情 作曲:中山 晋平
月夜に和尚さんとたくさんの狸がはらつつみを打ちます
1925年(大正14年)に発表された日本の童謡です。
千葉県木更津市にある證誠寺に伝わる「狸囃子伝説」をヒントとして作られた曲です。
歌詞の意味
- 証城寺の庭に月が出た
みんな出ておいで
私の友達は狸たちだ
負けるな負けるな 和尚さんに負けるな
みんな出ておいで - 証城寺の庭にある萩は
たくさん花が咲き 月に照らされている
私も楽しくなって おなかをたたく
證誠寺ではなく証城寺?
前記したように、證誠寺に伝わる「狸囃子伝説」をヒントとして作られた童謡といわれています。
しょうじょうじという読みは同じでも漢字を変えたのは、このお寺限定ではなく「全国で歌ってほしい」という願いがあった様です。
楽譜によっては、ひらがなで「しょうじょうじの狸ばやし」としているものもあります。
狸囃子伝説とはどんな話?
證誠寺に伝わる「狸囃子伝説」。
お寺の和尚さんは、月夜にたくさんのたぬきと一緒に「はらつつみ」を楽しんだのです。
こんなにコミカルで楽しい歌になってますが、実は悲しいお話。
別記事にて書いていますので、興味ある方は読んでみてくださいね。
萩(はぎ)とは?
萩(はぎ)とは、秋に花が咲く植物です。
證誠寺には、実際に萩がたくさん生えていたそうです。きれいですね。
余談ですが。
ごはんをつぶした餅のようなものの上にあんこが乗っている「おはぎ」は、萩が咲く季節にたべるから「御萩」と呼ぶそうです。
同じ食べ物である「「ぼたもち」は、牡丹の花が咲く春に食べるので「牡丹餅」と呼ぶのだとか。
歌唱ポイント
この曲で一番難しいと思うのが・・・・寺の名前。
しょ、しょ、とスタッカートできたところで「しょうじょうじ」です。
じょじょじ、ではないのです。歌いにくい〜汗。
スタッカートの音程がとりにくいです。
「しょ、しょ」「つ、つ」 意識して丁寧に音を置く様にしましょう。
「こいこいこい」「ぽんぽこぽんのぽん」は、ぜひ動作をいれて楽しんでください。
「負けるな負けるな」の「ま」にアクセントをいれて力強く踏み込む様に歌うと、抑揚が出ます。
海外でカバーされて有名になった『Sho-Jo-Ji 』
1955年(昭和30年)、アメリカのアーサー・キット(Eartha Kitt)が『Sho-Jo-Ji (The Hungry Raccoon)』という題名でカバーし、日本でも洋楽として大ヒットとなったそうです。
日本ではアサヒビールのCMにも使われたのだとか。
動画を貼りますが、いや〜〜おもしろいです!
racoon ってなんだ?と翻訳かけてみたら「アライグマ」「たぬき」のこと。
曲名「ハラペコ狸のショージョージ」ってところでしょうか。
しょーじょー爺は、たぬきだ。いつも腹が減っていて、池の鯉を呼んでる。頭とお腹をなでてるの。
マカロンとマカロニとチェリービーンズに・・・
・・・・えええ! 負ける負けるな はどこいった?
日本語の歌詞をイメージだけでカバーすると、こうなるのか〜。狸の置物から連想したのかしら?
確かに、和尚さんは髪がなくて頭を撫でてるかも(笑)
日本の曲なのか、中国の曲なのか(ドラ鳴ってましたよね?)、トランペットやサックスでジャスっぽく仕上げており、
いろいろなものがゴチャマセで面白いですねえ。
このカバーのおかげで、世界に証城寺の狸囃子が広まったのですね。