童謡「しゃぼん玉」に込められた悲しい意味とは
もの哀しい歌詞の童謡「シャボン玉」には、作詞をした野口雨情の悲しい記憶が入っていたのです。
童謡「しゃぼんだま」は、作詞:野口 雨情 作曲:中山 晋平。日本の童謡の代表作といってもいいほど、有名な曲です。
この曲ができたのは大正時代です。ずっと歌い継がれているのですね。
もの悲しい歌詞
楽しいはずのシャボン玉遊びの歌・・・・なのでしょうか。
なんだか、寂しげな、もの悲しいメロディと歌詞だと思いませんか?
しゃぼんだま とんだ 屋根までとんだ
シャボン玉がとんだ!嬉しいですよね。どんどん高くまで飛んで行って、屋根に近づいていきます。
あ!
屋根までとんで 壊れて消えた
あ〜〜〜あ。屋根に当たったのでしょう。残念。消えちゃいました。
もう1回ふいてみよう。今度は上手くいくかな?
しゃぼんだま消えた とばずに消えた
飛びもしないで消えちゃったのね。強く吹きすぎたのかな?
生まれてすぐに 壊れて消えた
丸くはなったのね。でもすぐに壊れちゃったようです。
風かぜ ふくな シャボン玉とばそう
そうか、風が強い時には、なかなかシャボン玉は大きく膨らまないですよね。
もう〜〜風ふくの止まって。シャボン玉とばしたいのに〜〜。
・・・・・・実はそんな意味ではなかったのです。
シャボン玉は子供のはかない命説
長女の死
この曲の作詞者である野口雨情の初めての長女みどりは、生後7日目で亡くなっています。
この時代は、衛生面でも栄養面でもいまよりずっと悪く、産まれてすぐに命が絶えてしまうことはさほど珍しいことではありませんでした。
ある日、野口雨情は、シャボン玉遊びをしている子供たちと遭遇し、亡くなった長女が無事に大きくなったら同じくらいの年頃だろうなと思いながら1番の歌詞を書いたそうです。
生まれてすぐに 壊れて消えた
生まれてすぐに亡くなった長女。
親戚の男の子の死
この歌詞が出来上がる少し前に、野口雨情は、親戚の男の子が生まれたばかりで無くなった知らせを聞いたらしいのです。
長女が成長した時を想像しながら、シャボン玉遊びをする子供たちを眺めて曲を作った説もありますが、「生まれてすぐに壊れて消えた」はこの親戚の男の子の死が関わっているのではないか、という説もあるようです。でも、どこの誰なのかが記録に残ってないのだとか。
四女の死
シャボン玉の曲が完成した後ですが、野口雨情の四女が2歳で亡くなっています。
七五三では女児は三歳になると神様に感謝を伝えにお参りしますが、三歳まで生きるというのが第一の目標地点だったのです。
まずは三歳まで生き延びるのが目標だった時代ですから、「屋根を超えて飛び立てるギリギリのところで壊れてしまったシャボン玉」に四女への思いを感じるのは私だけでしょうか。あと少しだったのに・・・・。
亡児への鎮魂歌の説
この時代は、産まれてきた子供が三歳を迎えるのも大変な貧困時代。医療も乏しく、流行病があればたくさんの子供が亡くなっていました。
この曲は、浮かばれない魂が成仏できるようにという気持ちを込めた歌だという説もあります。
「シャボン玉」を発表したのが、大日本仏教コドモ会が発行していた児童雑誌『金の塔』でした。仏教の雑誌から出したのも意味がある、そう考えられているのだろうと思います。
産まれてすぐに亡くなってしまうような悪い風は吹かないでほしい。子供達よ、大きく成長していっておくれ。そんな願いが込められた歌なのでしょう。
動画をどうぞ
こんな悲しい思いが入っている歌詞だと知ってしまうと、明るく楽しくは歌えなくなりますよね。
私も涙をこらえながらレコーディングして動画を作りました。
子供達に見てもらいたいので、明るく可愛く作っております。
参考:Wikipedia、池田小百合なっとく童謡・唱歌
生後7日目ではなく8日目で亡くなっています
こんなに良い曲なのに裏ではこんなに悲しいなんて心が痛む…
シャボン玉って、滅茶苦茶良い曲だなぁと思って聞いていたけど、まさかこんな意味が隠されてるなんて、知りもしなかった。とっても悲しい曲だったんだ。考え直される曲かも。