豆まき
作詞作曲:絵本唱歌
鬼は外!福は内!
豆をまいて鬼を追い払い、福を招き入れます。
昭和初期に音楽教育書出版協会から出版された「えほん唱歌」に掲載されました。
節分で歌う曲といえば、この「豆まき」と「鬼のパンツ」でしょうね。
歌詞
-
鬼は外 福は内
ぱらっ ぱらっ ぱらっ ぱらっ 豆の音
鬼は こっそりにげていく -
鬼は外 福は内
ぱらっ ぱらっ ぱらっ ぱらっ 豆の音
はやくおはいり 福の神
歌唱ポイント
鬼は外!福は内!では、思いっきり豆を投げる動作をしながら楽しみましょう。
ぱらっぱらっ は豆がおちる音を表していますので、軽く歯切れよく歌いましょう。
伝統的な豆まきの意味
豆まきの歌にちなんで、伝統的な豆まきについて書いてみます。
節分・豆まき とは、どのような行事なのでしょうか。
節分の由来
豆まきをする2月3日は「節分」=「季節を分ける日」です。
2月4日は「立春」と呼び、暦の上では春の始まる日とされています。
ですので、春の始まる前日は、冬と春を分ける日で「節分」と呼ばれるようになりました。
暦の上では春といえど・・・・まだまだ冬真っ盛りですよね。
春と言われたけどまだ冬じゃないか〜〜という気持ちを歌った 早春賦 もチェックしてみてくださいね。
季節の変わり目には、病気になりやすかったり災害が起こりがち。
これを鬼に見立てて追い払う鬼払いの儀式「追儺(ついな)」が宮中で行われており、それが日本か国に広まっていきました。
節分の鬼とは
鬼はいるの? んーーーどうでしょうね。
昔から目にみえない恐ろしいことや、病気・飢餓、災害などの「厄」を鬼の仕業とされてきました。
日本の古くからの書物などにも鬼が描かれてますし、昔話にも度々登場しますよね。
鬼はツノと牙を持っていますが、「牛の角」と「寅の牙」なのだそう。
確かに言われてみれば・・・牛っぽい角とネコ科の牙ですよね。
鬼が出る方角は北東とされており、十二支で方角を表すと丑寅の方角。
鬼の出る時刻は真夜中です。
丑寅は時刻では真夜中の1〜5時にあたります。
これもまた不思議。
福の神とは?
幸福の神のこと。
幸福って、お金のことだけではなですよね。
健康だったり、人間関係が良好だったり、作物がよく育ったり、笑顔で過ごせたり。
さまざまな「福」がありますね。
七福神について
日本の福の神は七人いるようで、まとめて七福神と呼びます。
- 恵比寿天(えびすてん):商売繁盛
- 大黒天(だいこくてん):五穀豊穣
- 毘沙門天(びしゃもんてん):厄除け・福徳
- 弁財天(べんざいてん):音楽・芸能、学問成就、財運
- 布袋天(ほていてん):笑門来福・夫婦円満
- 福禄寿(ふくろくじゅ):子孫繁栄、財運招福、健康長寿
- 寿老人(じゅろうじん):長寿延命、諸病平癒
福はたくさんありますね。
あなたは、どの福の神を家に招き入れたいですか?
さあ、素敵な福が家に入れるように、豆をまいて鬼を追い出しましょう!
豆まきのやりかた
小さな子供がいるご家庭では、父親が鬼の面をかぶって子供たちが豆をまく・・・楽しい行事。
幼稚園や保育園では、それぞれ鬼の面を手作りしたり、先生が扮する鬼に大泣きしたり(笑)
本来の豆まきは、どのように行うのでしょうか。
準備するもの
①福豆
炒った大豆を升(ます)にいれて神棚にお供えしたものを、福豆と呼びます。
昔から穀物は霊力が宿るとし、福豆は邪気を払うと考えられています。
拾い忘れた豆から芽が出るのはよくないとされ、炒って芽が出るのを防ぎます。
神棚がない場合は、白い紙の上に大豆を乗せ、目線よりも上におくと良いそうです。
スーパーで大豆を買ったら、フライパンで軽く炒って、白い紙にのせてタンスの上にでも置いておきましょう。
雪国では投げた豆を拾いやすいように、「落花生」をカラ付きのまま使用する地域もあります。
筆者の実家も、落花生でした。
②鰯柊(イワシヒイラギ)
柊の枝に焼いたイワシの頭をさした飾りです。
とても綺麗なものとは言えませんよね。。。
鬼はイワシとヒイラギが苦手。
イワシを焼いた頭の匂いが嫌いなのだそう。
ちくちくしたヒイラギは鬼の侵入を防ぎます。
(ヒイラギの葉に負けないような分厚い皮膚をしているような気がしますが・・・敏感肌なのね。)
この鰯柊は、戸口から鬼が入るのを防ぐために玄関や門などに飾ります。
この生臭い飾りはスーパーなどでも売っているそうですので、探してみてはいかがでしょうか。
③役目分担(豆を撒くのは誰?)
一人では難しいです。家族で協力して行いましょう!
本来であれば、豆を撒く人は「長男」となっています。
長男とは、兄弟の兄という意味ではなく、大黒柱である父親です。
(昔は鬼役じゃなかったのね)
現在では、その年に生まれた男性(年男)だったり、厄年にあたった人が厄除けのために行ったり、家族でだれでもよかったり。地方によっても家族構成によっても、柔軟になってきました。
豆を撒く人が決まったら、「窓閉め」係を決めましょう。機敏に動ける人がぴったりです。
豆まきの手順
鬼の出る時間にスタートです。夜の10時あたりから始めましょう。
- 玄関・窓・ベランダなど、外に通じるあらゆる戸を開けます。
家族総出で行いましょう。 - まずは玄関から。
長男は左手で福豆の入った升を持ち、右手で「下手投げ」で豆を巻きます。
「鬼は外!鬼は外!」と強気で掛け声をかけながら外に向かって豆を2回投げ、
「福は内!福は内!」と優しく言いながら、戸から内側に豆を2回投げます。 - 長男が鬼を外に出し福を内にいれたら、窓閉め係がすぐに閉めます。
窓を開けたままにすると、また鬼が入ってきてしまうからです。 - 玄関が終わったら、他の窓も順番にすすめていきます。
- 全ての戸で豆まきを終えたら、家族全員で豆を食べます。
「年取り豆」と呼ばれ、自分の年齢+1個の豆を食べましょう。
自分の年齢は、満でも数え年でも、どちらでもOKです。来年も幸せでありますように、という願掛けで、ひとつ多く食べます。
恵方巻きについて
昨今ブームになっていて、節分には恵方巻きを無言で食べ切る!というような風習がでていますね。
バレンタインにはチョコレートを渡すように、どこかの企業がけしかけたんじゃ?なんて思っていた筆者でしたが。。。。実は、江戸時代末期に、関西を中心に流行っていたそうです。
節分の夜に、その年の「恵方」を向いて食べると、商売繁盛や無病息災で過ごせるという言い伝えがあるそうです。
恵方巻きの具はなんでもいいの?
具の基本は7種で、七福神からきています。
7種あればなんでも良いらしいです。
七福神を海苔で巻いている=福を包んでいる
ということで、縁起が良いとされています。
無言で一気に食べ切るのはなぜ?
福を巻いた恵方巻きを食べるということは、福を体に入れるということ。
神七人分を巻いたものを包丁で切るのはバチが当たりそうな気がしますね。。。
だから恵方巻きは一気喰いなのでしょうか。
食べている間に話をすると・・・「福を離す」と言われているそうです。
話さないほうがいい→離さないほうがいい・・・
江戸時代にダジャレ??とツッコミたくなりますね。
神様にお願いするときは「無言で」というルールがあるようです。
思い返せば、初詣など神社にいったときに、お願い事を大きな声で言う人はいません。
静かに手を合わせて「・・・・・・・・」と無言でお願い事をお伝えしますし、
ねえねえ、何お願いしたの? という質問にも「えー言ったら叶わなくなるから〜」と教えなかったりします。
口から離さずに一気に食べるのは、
同じく「福が逃げない」ようにするためなのかもしれませんね。
とにかく、喉を詰まらせないように気をつけながら、無言で食べましょう。
7種類の具と聞くと・・・かなり大きいですよね。ファイト!
恵方とは?どこを向いて食べるの?
恵方とは、その年の最も良いとされる方角のことで、一定ではありません。
恵方には「歳徳神(とくとくじん)」という神様がいて、その年の福を司っているのだそう。
その方向にむかって行うことは、全て吉となるそうです。
この記事を書いている2022年の恵方は「北北西」だそう。
恵方巻きを食べるなら、今年は北北西を向いて、
話すことなく、離すことなく、一気喰いしてみましょう。
喉に詰まらせないように、気をつけてくださいね。
まとめ
「豆まき」の歌には、昔から言い伝えられている節分の意味がうたわれていました。
行事は時代によって変化していくものですが、
「なぜやるのか?」「どんな意味があるのか?」に意識をむけて、歌といっしょに受け継いでいけたら良いですね。