ねむの木の子もり歌
作詞:皇后 美智子殿下 作曲:山本 正美
皇后 美智子様が、高校生時代に作詞。
歌詞・曲共にとても気品のある優しい歌だと思います。
皇后 美智子様が高校生時代に作詞したものを元に、ちょうど文仁親王殿下のご誕生に合わせて曲がつけられて献上。皇太子妃であった昭和41年に発表され各社が一斉にレコード化したそうです。
実際に子守り歌として使われており、皇后陛下が長く御所を離れる際には、ご自身でピアノで弾き語りをしてカセットテープに録音して置いて行ったというエピソードもあるようです。生まれたばかりの文仁様がいつでも聞けるようにという配慮ですね。
皇后陛下はこのレコード発売に先立ち、作詞著作権を社会福祉法人日本肢体不自由児協会に下賜されました。協会はこの作詞著作権料を基金として、昭和42年(1967年)に医療型障害児入所施設、療養介護事業所、特別支援学校等において永年にわたる功績を収めた者を労るべく賞(ねむの木賞)を制定しました。
日本のトップスターである吉永小百合、梓みちよがレコードを出したこともきっかけとなり、多くの国民がこの歌に触れることになりました。
歌詞の意味
ねむの木は眠りの木
ねむの木の枝をそっと揺すってみると
遠い昔の頃の記憶のような音が聞こえてきた
ねむの木は子守歌のようだ
薄い赤色をした花が咲いているねむの木の下で
ふと聞こえたき小さなささやきは
ねむの木の声だったのだろうか
ねんね ねんね と歌っているようだった
故郷にあるねむの木は
今日も歌っているだろうか
あの日の夜に聞いたささやくような子守歌を
歌唱ポイント
音程の上下幅が大きく難しい曲ですが、心穏やかに流れるように歌いましょう。
手元のねむの木を揺すっている場面と、昔を思い返している場面、そして故郷を思う場面は距離感が全く違います。歌い分けられるといいですね。
(ひまわり本人、上記のように歌いたいという希望はありますが、全くできてない・・・・)
ねむの木ってどんな植物?
正式名所は『ネムノキ』(合歓木)。別名、ネム、ネブ。
夏に淡紅色の花が咲き、桃のように甘い香りがします。マメ科に属し、果実はまめのように平たいです。夜には葉が閉じます。光ではなく体内時計で葉の開閉をおこなっているという研究結果があるようです。
荒れ地に強く、イラン、アフガニスタン、中国南部、朝鮮半島、日本の本州・四国・九州に自生しています。河原や雑木林に生え、高さは10mにもなるそうです。かなり大きな木なのですね。
塩害に強い特性から、日本では古くから海岸線の防風林として利用されています。
***
綺麗な花ですね。筆者は東北育ちで、ねむの木を実際に見たことがありません。でもこうして写真を見せてもらうと、この曲のイメージが湧いてきますね。
街路樹にも利用されるようですので、西日本ではよく見る木のひとつなのでしょうか。ぜひ見たみたいです。
東京に「ねむの木の庭」がある
東京の五反田駅から国道1号線桜田通りから路地を入った住宅地の中に「ねむの木の庭」という公園があります。
ここは、皇后陛下の生家である正田邸があった跡地が公園になりました。
園内は沢山の種類の草花が植えられていて、日中なら自由に立ち入ることができるのだとか。皇后陛下の名前が入った『プリンセスミチコ』という品種のバラはみもので、5月から11月ごろまで楽しめるそうです。
きっとねむの木も見れるかもしれませんね。夏に花が咲くので、夏に行ってみたいと思います。興味のある方は、ぜひ訪れてみてくださいね。