冬の夜
作詞作曲:文部省唱歌
囲炉裏の前で家族団欒。外は吹雪です
1912年(明治45年)の「尋常小学唱歌」第三学年用に掲載された文部省唱歌です。
母は裁縫をし、父は縄をない、子供たちと囲炉裏の前でお話をしながら過ごしています。
歌詞と歌詞の意味
※著作権が失効しているので、歌詞も掲載いたします。
歌詞
- 燈火(ともしび)ちかく 衣(きぬ)縫ふ母は
春の遊びの 楽しさ語る
居並ぶ子どもは 指を折りつつ
日数かぞへて 喜び勇む
囲炉裏火は とろとろ 外は吹雪 - 囲炉裏の端に 繩なふ父は
過ぎしいくさの 手柄を語る (※過ぎし昔の思い出語る)←戦後に歌詞変更
居並ぶ子供は ねむさを忘れて
耳を傾け こぶしを握る
囲炉裏火は とろとろ 外は吹雪
2番は戦後に歌詞が変更になっています。
戦の手柄を語っている部分が戦争をイメージさせ、教育によくないとなったのでしょうか。
戦争や天皇関係の歌詞が戦後に変更されるのは、文部省唱歌あるあるですね。
歌詞の意味
現代では使わない言葉が散りばめられていますよね。
難しいところから解説していきます。
- 燈火(ともしび):家の明かり。電灯やろうそくなどで高い位置から照らすあかりのこと。
- 衣(きぬ)縫ふ:針仕事。(きぬぬう→絹を縫うのではなく、衣類を縫うだったのですね・・・。)
- 囲炉裏(いろり):室内の床を切り抜いて灰をいれ、火を燃やす場所。煮炊きや暖房に使う。
- 縄をなう:やわらかくした長い干し草を、手で擦るようにねじっていき、縄を作る作業。
ということで、歌詞の意味を書いてみます。
- 明りの近くで針仕事をしている母が、春の遊びの楽しさを話している。
並んで座っている子供たちは、春までの日を指折数えて、楽しみにしている。
囲炉裏の日はとろとろと燃えている。外は吹雪だ。 - 囲炉裏のすみで縄作りをしている父は、昔の戦いの手柄について話している。
並んで座っている子供たちは、興奮しながら父の話を聞いている。
囲炉裏の日はとろとろと燃えている。外は吹雪だ。
外は吹雪なのですが、家の中は家族の暖かさが伝わってきますね。
歌唱ポイント
吹雪の夜ですが、暗く悲しい歌ではありません。
家族団欒の風景ですので、明るく楽しく優しくに気をつけて歌っていきましょう。
訂正、日の丸は正しくは日の丸のうたでした
いくさと言う言い方は古すぎますし、また平和主義の現在、昔の思い出にしたのはやむを得ないでしょう。夏は来ぬのしずのめも早乙女に変わっているし、日の丸や春の小川も相当変わっています。