作詞: 北原 白秋 作曲:弘田 龍太郎

雨がずっと降り続いています。

1918年(大正7年)発表の童謡。

雨が降っているだけで、こんなに暗い曲って・・・・。

歌詞

※著作権が消滅しているので、歌詞を記載します

  1. 雨がふります 雨がふる
    遊びにゆきたし 傘はなし
    紅緒の木履(かっこ)も緒が切れた

  2. 雨がふります 雨がふる
    いやでもお家で 遊びましょう
    千代紙おりましょう たたみましょう

  3. 雨がふります 雨がふる
    けんけん小雉子(こきじ)が今啼いた
    小雉子も寒かろ 寂しかろ

  4. 雨がふります 雨がふる
    お人形寝かせど まだ止まぬ
    お線香花火も みな焚いた

  5. 雨がふります 雨がふる
    昼もふるふる 夜もふる
    雨がふります 雨がふる

歌詞の意味

とにかく暗いですよね・・・。
1番の歌詞だけを考えると、なんと不運な歌なのかと思ったのです。

雨が降り続き、傘もなくて、下駄の鼻緒も切れるという。
そんなに不運を重ねなくてもいいじゃないか。

でも、2番以降の歌詞をみていくと・・・・これは不運な歌ではなさそうです。

雨が続くと、子供もストレスがたまるんです。
早く外に遊びにいきたいと、イヤイヤします。駄々をこねます。

そこでお母さんは、あの手この手で、家の遊びに誘っているのではないかな、と思いました。
お母さんももう、疲れ切ってる感じ・・・。お疲れ様です。

ということで、筆者のイメージする情景を書いてみます。

1番 鼻緒まで切れる

雨が降り続いています。
遊びに行きたいのはわかるけれど、傘がないわね。
ほら、あなたの下駄の赤い鼻緒も切れてしまったから、外に履いていけないわね。

(鼻緒を切れたことにしている? それで納得するような小さい子供が相手なのでしょうね)

2番 折り紙しましょう

雨が降り続いています。
嫌なのはわかるけれど、お家の中で遊びましょうね。
ほら、折り紙しましょうか。

(イヤイヤしている子供の様子が見えてきますね。2〜3歳くらいでしょうかね。)

3番 キジがないたかも?

まだ雨が降り続いています。

ケンケン!とキジの鳴く声が聞こえたわ。
お外にいあるキジさんは濡れて寒いかもしれないね、寂しいかもしれないね。

(雨の中で本当にキジが鳴いたかはわからないですが、そう言えばイヤイヤしている子の気持ちがそれるかも?)

4番 家で花火もしちゃう

まだまだ、雨が降り続いています。

お人形遊びも飽きて、お人形はねんねさせたけれど、まだ雨が止まないわ。
線香花火も、使い切ったわ。

(家の中で線香花火?? 昔は土間もあったので、線香花火程度は普通に家の中でできたのかもしれません。最後の手段の花火まで使い切って、お母さんはもう諦めモードでしょうか)

5番 まだまだ降り続ける

まだまだ雨は降り続いてて、
昼も降るし夜も降るし・・・・ 止む気がしない感じです。

(あああ、これは気持ちが暗くなりますよね。この曲調も納得。)

後奏 雨が止む?

ずーーーーーーーーっと短調の暗いまま5番まで歌い、結局雨は降り続いて歌詞は終わるのですが、
後奏の最後の最後にはマイナーからメジャーに変化します。

メジャーになるということは「明るくなる」ということです。

あれだけ降り続いた雨だけど、やっと雨が止んで、空が少し明るくなった感覚です。

雨はいつかは止むんですね。
それに気がついた時に、この不幸で暗い歌が、少し好きになりました。

ああ、この感覚は、童謡「にじ」に近いですね。

歌唱ポイント

歌詞の背景を考えてみると、母の辛さがよく伝わるなと思いました。
これは明るい曲ではないのは納得(笑)。

お母さんが小さな子供に語りかけるように歌えるといいですね。

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